この計算機でできること
梱包後のダンボールの寸法と個数を入れると、1個あたりと貨物全体の容積が立方メートルで出ます。同じ数値を立方フィート、リットル、才数でも表示し、その下に行ごとの計算過程が並ぶので、自分の計算と突き合わせられます。
実際の貨物はサイズが一種類とはかぎらないため、フォームはサイズごとに1行を受け取り、行ごとに単位を選べます。センチで測ったダンボール10個とインチで測った木箱2個が同じ貨物に混ざっていても、合計は正しく出ます。
内部では寸法を小数の近似値ではなく正確な分数として保持しています。だから 40 × 30 × 25 cm × 10 がきっちり 0.3 m³ になり、普通の浮動小数点演算で出てしまう 0.30000000000000004 にはなりません。
オプションを開くと、選んだ除数で実重量と容積重量を比べる、提示された単価で運賃を概算する、コンテナの内容積に対する割合を見る、といったこともできます。
CBM と容積、そして才数
CBM は Cubic Meter、立方メートル(m³)の略です。貿易と物流では貨物の容積を表す基本の単位で、海上混載(LCL)の運賃は1立方メートルあたりいくらで示され、倉庫料金も1立方メートル月いくらというかたちが多くなっています。1立方メートルは一辺1メートルの立方体ぶんの空間、つまり 1,000 リットルです。
容積が効くのは、運送会社が売っているのが実のところスペースだからです。軽い貨物なら、航空機の貨物室もコンテナも重量制限より先に空間がなくなります。同じ場所を取るクッションとボルトの輸送費がだいたい同じになるのはそのためで、容積をキログラムに直す容積重量という考え方もここから来ています。
日本の運送業界ではもう一つ、才という単位が使われます。1才は1立方尺で、尺はちょうど 10/33 m と定められているため、1 m³ = (33/10)³ = 35.937才がきっちりの値です。ただし実務では ÷27,800 や「1CBM=約35才」といった丸めた目安が広く使われており、見積書の才数がこのページの値とわずかに違うことがあります。この計算機は定義どおりの正確な値を出しています。
計算式と具体例
メートルで考えれば式に隠れたところはありません。CBM = 縦 × 横 × 高さ × 数量です。
40 × 30 × 25 cm のダンボールで見てみます。各辺をメートルに直すと 0.40 m、0.30 m、0.25 m。1個は 0.40 × 0.30 × 0.25 = 0.03 m³。10個なら 0.03 × 10 = 0.3 m³ で、300 リットル、10.5944 立方フィート、10.7811才にあたります。
センチのままでも答えは同じです。40 × 30 × 25 = 30,000 cm³ で、30,000 ÷ 1,000,000 = 1個 0.03 m³ になります。
数量は単純な掛け算なので、個数が2倍になれば CBM も2倍、それ以外は何も変わりません。この性質は検算に使えます。示された容積が1個あたりの容積の整数倍になっていなければ、計算ではなく採寸か個数のほうが間違っています。
cm・mm・インチ・フィートからの計算
どの単位でもやることは同じで、各辺をメートルに直して掛けるだけです。よく覚えられている割り算の数字は、その換算を先にまとめたものにすぎません。センチなら 1,000,000 で割る。ミリなら 1,000,000,000。インチなら 61,023.744。フィートなら 35.3147 です。
インチとフィートの数値は概数ではなく正確な値です。国際インチはちょうど 2.54 cm、国際フィートはちょうど 0.3048 m と定義されているので、1立方インチはちょうど 0.000016387064 m³、1立方フィートはちょうど 0.028316846592 m³ になります。計算機もこの値を使っています。
インチの例:20 × 16 × 12 インチの箱は 3,840 立方インチで、3,840 × 0.000016387064 = 0.06292632576 m³、四捨五入して 0.063 m³ です。25個なら 1.573 m³ になります。
フィートも同様で、4 × 3 × 2 フィートの木箱は 24 立方フィート、24 × 0.028316846592 = 0.6796 m³ です。換算係数が両方向とも正確なので、戻したときも 23.9999 ではなくきっちり 24 立方フィートになります。
サイズが混ざった貨物の計算
実際の貨物はたいていサイズが複数あり、手早く済ませようとしたときに間違いが起きるのはここです。正しい手順はサイズごとに計算して容積を足すこと。寸法を平均して総個数を掛けるという近道は、近似ではなく別の計算で、答えが変わります。
40 × 30 × 25 cm を10個:1個 0.03 m³ で合計 0.30 m³。120 × 80 × 100 cm を2個:1個 0.96 m³ で合計 1.92 m³。貨物全体では 0.30 + 1.92 = 2.22 m³、12個口、78.3986 立方フィートです。
先に平均していたら「平均のダンボール」は 80 × 55 × 62.5 cm になり、12個で 3.3 m³。実際より半立方メートル多く、その差はそのまま請求に乗ります。
単位についても同じです。仕入先のパッキングリストのまま、1行目をセンチ、2行目をインチ、3行目をメートルで入れて構いません。合計する前に行ごとに換算するので、急いだ単位換算で数字が狂うことがありません。
立方フィート、リットル、才数との関係
同じ量を表す単位が複数あり、パッキングリストはその間を行き来します。リットルは簡単で、1リットルはちょうど1立方デシメートルなので 1 m³ はちょうど 1,000 L です。
立方フィートは覚えておく価値があります。1 m³ = 35.3147 ft³、逆に 1 ft³ = 0.0283 m³。南アジアの船積書類では同じ単位を CFT と書くことも多く、略記が違うだけで中身は同じです。
才数は 1 m³ = 35.937才。国内区間の見積もりや倉庫のやり取りで才が使われ、国際区間は CBM で動くので、同じ貨物を両方の単位で押さえておくと話が早くなります。
記事の上にある換算ブロックは、容積の数字がすでに分かっているときに三つの単位を直接行き来するためのものです。
容積重量と請求重量
容積重量は、実重量と比べられるように容積をキログラムで表したものです。運送会社は貨物の大きさを立方センチメートルで出し、自社が公表している数で割ります。容積重量(kg) = 縦(cm) × 横(cm) × 高さ(cm) × 数量 ÷ 除数。
請求重量は実重量と容積重量の大きいほうです。密度の高い貨物は重さで、軽くてかさばる貨物は占めるスペースで請求されます。この「大きいほう」という原則は業界共通ですが、除数のほうは共通ではありません。
公表されている値としては、航空貨物の一般ルールとして IATA の 6000、DHL Express が自社のエクスプレス商品に使う 5000、鉄道の 1:3 にあたる 3000、海上混載の 1:1 にあたる 1000 があります。トラック輸送には一般ルールがなく、比率は国と事業者によって違います。
除数が小さいほど、同じ箱でも容積重量は大きくなります。先ほどの10個の例は 0.3 m³、つまり 300,000 cm³ なので、除数 6000 なら 50 kg、5000 なら 60 kg、海上の 1:1 なら 300 kg です。1個 12 kg なら航空会社は実重量の 120 kg で請求しますが、同じ貨物を海上混載で出すと 300 kg で評価されます。
注意が二点あります。運送会社は除数を変更しますし、サービスごとに別の除数を使い、1個あたりの最低重量を設けていることもあります。またこの計算機は選んだ除数を貨物全体に当てはめるので、1個ずつ計算して個別に切り上げる会社では数字がわずかに大きくなります。
海上の CBM — LCL、FCL、コンテナの容積
海上輸送はおおよそコンテナ1本を境に分かれます。それ未満なら他社の貨物と同じコンテナのスペースを買う LCL で、運賃は1立方メートルあたり、あるいはフレートトン(1トンと1立方メートルの大きいほう)あたりで示されます。それを超えると1本を借り切る FCL になり、容積が直接値段を決めるのではなく、入るかどうかが問題になります。
公表されている内容積はその判断の出発点になります。Hapag-Lloyd の参考仕様では 20フィートが 33.2 m³、40フィートが 67.7 m³、40フィートハイキューブが 76.3 m³。同社自身が、コンテナは製造元によって違うのであくまで一例だと断っています。
ただし、この数字は届かない上限だと考えてください。隅から隅まで隙間なく詰めた前提の容積で、実際の貨物がそうなることはありません。パレットは壁際にデッドスペースを残しますし、ダンボールは潰れない高さまでしか積めず、ドアの開口部はコンテナ本体より狭く、重量制限が容積より先に効くこともあります。
ですから結果に出るコンテナの行は、幾何学的な容積に対する割合であり、そう明記してあります。実際に積み切れるかどうかを示すのは、フォワーダーが作る積付け計画です。
寸法の正しい測り方
運送会社が請求するのは荷物が機材の上で占める空間なので、測るのは梱包が終わったダンボールの外側です。中身の商品でもなければ、ダンボールの内寸でもありません。
梱包後に測ります。中身が入ったダンボールは膨らみますし、バンド、コーナーパッド、ストレッチフィルムもそれぞれ少しずつ足されます。いちばん張り出したところで測ってください。
パレットも含めます。パレット積みで出すなら、パレットの底面と高さは貨物の一部です。ダンボール単位ではなく、積み上がったパレットを1行として入力してください。
切り下げずに切り上げます。ターミナルでの採寸も切り上げですし、1センチ甘い数字を持っていても得にはなりません。
不定形のものは外接する直方体で測ります。ドラムや変形した木箱は、形そのものではなく必要になる長方形のスペースで請求されます。
よくある間違い
10の累乗を間違える。センチから立方メートルは 1,000,000、ミリからは 1,000,000,000 で割ります。単位換算も三乗されるからで、センチを 100 で割ると1万倍ずれます。
商品の寸法を使う。輸送されるのは箱の中身ではありません。梱包材、緩衝材、ダンボールの厚みはすべて請求対象の容積に入ります。
CBM と容積重量を混同する。CBM は容積、容積重量は重量です。両者をつなぐ除数は運送会社が選ぶので、貨物の CBM は一つでも容積重量は除数の数だけ存在します。
サイズの違うダンボールを平均する。上で書いたとおりですが、見た目には間違いに見えないので繰り返します。混ぜずに足してください。
コンテナの容積を積載可能量とみなす。内容積は空の箱を測った値で、積載効率は別の話です。パレット積みの貨物では実際の数字はかなり下がります。
このページでできないこと
このページがするのは容積の計算と単位換算です。運賃相場も、どの会社のタリフも、どの国の通関ルールも持っておらず、輸送費がいくらになるかは答えられません。運賃の行は入力された単価を容積に掛けただけなので、最低料金、各種サーチャージ、フレートトン建て、現地作業料など実際の請求書にあるものは含まれていません。
容積重量は、選んだ除数を貨物全体に当てはめて計算しています。運送会社は別の除数を使うことも、1個ずつ評価することも、最低重量を適用することもあるので、見積もりを確かめる道具として使ってください。コンテナの容積は公表仕様に基づく幾何学的な値で、貨物が入るかどうかについては何も言っていません。
1辺は 100 m まで、1行の数量は 1,000,000 個までに制限しています。現実の貨物からは十分に離れた値で、正確な計算をその場で返せる範囲です。処理はすべてブラウザの中で行われ、入力した内容がページの外に出ることはありません。
出典と計算方法
単位換算は定義どおり正確で、小数の近似ではなく正確な比として実装しています。1インチ = 2.54 cm、1フィート = 0.3048 m はどちらも定義値(NIST, Guide to the SI, Appendix B)、リットルはちょうど1立方デシメートルなので 1 m³ = 1,000 L です。才は1立方尺、尺は 10/33 m という定義から 1 m³ = 35.937才を導いています。
除数 6000 と「実重量と容積重量の大きいほうで請求する」という原則は、航空貨物のタリフとルールに関する IATA の解説によります。除数 5000 は DHL Express の標準値です。鉄道の 1:3、海上混載の 1:1、およびトラック輸送の比率が事業者ごとに異なるという点は、請求重量に関する DHL Global Forwarding の解説によります。
コンテナ容積の 33.2 / 67.7 / 76.3 m³ は Hapag-Lloyd が公開している参考仕様で、仕様は製造元によって異なるという同社自身の注記とあわせて引用しています。
このページに出てくる数値例はすべて tests/cbm-lib.test.js で再計算し、手計算と照合しています。本文と計算機がずれないようにするためです。